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赤子とねずみの十二国記

十二国記二次小説ブログ。 楽俊×陽子SS中心。 のんびりやりますので、お付き合い下さい。

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ご訪問ありがとうございます。管理人の神奈です。

本ブログは十二国記(楽俊×陽子)の二次小説ブログとなります。
同人要素を含みますのでご注意下さい。
※一部大人向け表現を用いる場合もございます。

■ブログコンセプト
・楽俊と陽子にもっとらぶらぶして欲しいという欲求を自分で二次小説を書いて満たす
・上記の欲求を同じくする同志の方々と出会い、想いを共有する

■ブログ小説
メニュー内のカテゴリ【SS】よりお選び下さい。
小説以外の記事についてはその他に分類しております。

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管理人へのご意見がございましたら、恐れ入りますが
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ブログ名:赤子とねずみの十二国記
URL:http://akanezumi12.blog.fc2.com/


更新は不定期です。遅筆ですが末長くお付き合い頂ければ光栄です。
それでは、どうぞよろしくお願い致します。

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拍手お礼

'>ゆず様
はじめまして!神奈です。コメントありがとうございました♫
RLは陽子と楽俊の自然ないい感じを書きたかったので、ゆず様のコメント心から嬉しく思います。
まだまだブログは続けるつもりですので、ぜひお立ち寄り下さい!
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*CommentList

拍手お礼

>ねこ様
はじめまして!コメントありがとうございます☆
原作では見れませんが、楽俊と陽子がらぶらぶなら
こんな感じかなあとRLは書いていましたので、とても嬉しいお言葉です( ´ ▽ ` )ノ
更新遅めですが、またぜひ起こし下さい☆

Pillow Talk 3 【ほのエロ系】



トントントン・・・・・・

肩肘をついたのとは別の方の指が、所在なさげに卓上を叩く。
ぱさりぱさりと、広げた書物を広げては見るものの、
うつろな瞳が追った文字は全て素通りしていく。
ふと、顔を上げて既に月明りが差す窓に目をやる。

いつかの、あの後ろ髪をひかれたような少女の表情が強く印象に残り、
その窓辺にぼんやりとした残影が浮かぶ。


楽俊―――・・・


残影の唇がスローモーションのように動き、ねずみの名を紡ぐ。
その声が、本当に聞こえたような気がして。
ねずみは振り払うように頭を振った。


らく・・・しゅん・・・・・・


すると、少女の唇が現れる。
赤く、艶めいた。
触れればぷくんと、しっとりと柔らかい。
その唇が、己に近づき。

「――――っ!!!」

ねずみは声にならないうめき声をあげると、わしゃわしゃと頭を掻きむしった。




あの夜。
そう、あの夜も、いつもと同じ夜になるはずだった。
何の前触れもなく、ねずみの部屋を訪れて。
そして、お互いの近況や、他愛のない話をして。

強くなければならない王。その仮面を、ねずみの前だけでは外すことができる。
それを知っているからこそ、時折みせる少女の、まるで母親に甘える子供のような振る舞いも、仕草も。
全て受け入れてきた。
むしろ、そのような姿を見せる少女に、ねずみ自身が喜びを感じていた。
自分だけが見る事のできる顔。
自分だけが触れる事のできる、髪、頬、指・・・全て。

男と、女でなくていい。
癒しを求められる、愛玩動物でもいい。
少女の目に、変わらず自分が映っているなら。
どのように映っていようとも、それでねずみは満足するはずだった。


あの夜。
いつもと同じに終わるはずだった夜。

少女との距離が近すぎたせいか。
少女が見せた涙のせいか。
ねずみは、自分の奥底に眠る、くすぐるようなうずきを抑えることができなかった。

少女の額に触れた唇から、そのうずきが広がる。
理性が、それを冷たく凍らせようとする刹那。

薄く張った氷の膜を、少女の言葉がみるみる溶かしていった。
抱きしめた少女の温かさより、口付けた場所から伝わる温もりより、
もっと熱い熱い、体の奥底から無限にわき出るような何かが、
ねずみを、男へと変えていた。


ガタンッ――


突然の物音に、考えにふけっていたねずみは体を震わせた。
物音とともに開かれた窓から、冷たく吹き荒れる風が卓上の書物を乱暴にめくる。

「来てしまったよ。」

窓が閉められると同時に、幻聴ではない声が、残影ではない姿が、ねずみを捉えた。

「陽子・・・・・・」

いつもと何も変わらない様子で、窓から侵入した少女は纏っていた外套を脱ぎ棄てると、
乱れた髪を手櫛で解く。

「ああ、勉強中だったのか。邪魔だったかな。」

卓上に広がった書物に目をやると、少女がくったくのない笑みをねずみに向ける。
その瞳をまともに見る事ができず、ねずみはうやむやに返答すると目を反らした。

「ごめん、本当に邪魔だった?」

どこかよそよそしいねずみの様子を、少女が敏感に感じ取る。
少し元気を削がれたその声音に、ねずみがちらりと少女の顔を窺った。

まっすぐな瞳。
その瞳は、自分の瞳を捉えようと向けられて。
ねずみは、まるで先ほどまでの己の考えていたことが伝わってしまうような気がして、
慌てて眼を反らした。

「・・・何かあるなら、言って欲しい。本当に邪魔なら、今日は帰るから。」

反らした眼の端に、己に視線を注いだままの少女が微かに映る。

「・・・陽子は、平気なのか?」

しばらくの沈黙のあと、視線は向けられないままようやくねずみが口を開いた。

「ここに来るの、陽子は怖くなかったか?」

ねずみの問いかけの意図を図りかね、少女はそのまま次の句を待った。

「おいらは、陽子に会うのが怖かった。」

「・・・どうして?」

「おいらが―――おいらの、陽子を見る目が変わっちまった気がして。」

言い直したねずみは、初めてその視線を真っすぐに向けた。

「今も、こんな風に陽子がいつも通り来たってだけなのに。
 おいら、すげぇ動揺してる。陽子を見て、どうすればいいかわからなくなっちまった。」

「私のせいか・・・?」

少女の問いかけには答えず、ねずみは俯く。

「私は、平気だよ。」

軽く息をつくと、窓辺に近づきながら少女が言った。
俯いたままのねずみを一瞥すると、その視線を窓の外へ向ける。
月の光をなぞるように、少女の指がガラスの上を滑った。

「だって、楽俊だから。」

その言葉に、釣られるようにねずみが顔を上げた。

「楽俊とだったから、今もこうして普通にここに来ることができた。
 ・・・と言うか、会いたかった。楽俊に。」

その飾り気のない言葉に、ねずみはあっけにとられた。
変わらず会いたかったと告げる少女。
その言葉が、あまりにも単純すぎて。
ねずみの中で複雑に絡まっていた思考の縺れが、溶けるように解けていった。

「・・・陽子らしいなあ。」

言って、思わず笑いが込み上げてきた。

「やっと、笑ったね。」

窓辺の少女が、体ごとねずみに向かい、そう言ってほほ笑んだ。
月明りは決して明るくはないのに、ねずみは眩しそうに目を細めた。

「実のところを言うとね、ちょっとは心配だった。
 もしかしたら、楽俊に嫌われてしまったんじゃないかって。」

「おいらが?陽子を?」

「うん・・・」

ねずみは、それまで座っていた椅子から腰を上げると、ほたほたと少女へ歩み寄った。
そして、少女の手を軽く握る。

「おいらが陽子を嫌いになる訳ねぇじゃねえか。」

「うん・・・」

握られた手を離すと、少女の細い指がねずみのそれに絡められた。
そしてねずみの視線に合わせるように、少女が腰を屈める。

「私は、これからもずっと、こうして楽俊に傍にいて欲しい。」

「陽子・・・」

「傍にいるだけじゃ、満足しないかもしれない。」

絡められた指に、力がこもる。

「もっと、近くにいたい。くっつきたい。楽俊に触れていたい。」

衣を着せない少女の言葉に、ねずみは気恥ずかしさを覚えつつも、
またいつかの夜のような熱いうずきが広がるのを感じた。
そして、たまらず。
片膝をついたままの少女を、抱きしめた。

「・・・くすくす・・・っ」

―――と、頭の上あたりから少女の笑いがこぼれる。

「楽俊、まるで私にしがみついているみたいだ。」

そう言って、今度はけたけたと笑いだした。

「し、しかたねぇだろ。腕が届かねえんだから。」

好い雰囲気を壊されたようで、ねずみは少し不機嫌そうに答えた。
一頻り少女が笑い終えると、突然ねずみの両の腕の下に少女の手が回され、
そのままきつく抱きしめられた。

「ごめんごめん。怒らないで。」

ねずみの鼻のすぐ隣。
触れるか触れないかの距離から、少女の瞳が覗き込んだ。
憮然としたままのねずみの鼻先に、少女が軽くキスをする。

「ほら・・・楽俊・・・ねずみのままじゃ、しにくいよ。」

覗き込んでくる少女の瞳が、とろりとする。

「キス、しよ・・・?」

熱の宿った少女の瞳に、吸い込まれる。
ねずみはその瞳を見つめながら、どこか体の奥底から、いつか感じた熱い何かが広がるのを感じた。

「このままじゃぁ、障りがあるだろ。」

「それじゃぁ・・・」

少女は立ち上がると、その辺りに掛けてあった部屋着をねずみにかぶせた。

「後ろ、向いているから。それ着たら、教えて。」

そう言って、ねずみのすぐ横で後ろ向きに正座した。

「こりゃあ・・・夜着だぞ・・・」

すぐ後ろで声がしたかと思うと、いきなり腕を取られて立ち上がらせられた。

「きゃっ」

突然尻が中に浮くような感じがし、少女の足が地から離れる。
男が、抱き上げた少女の顔を見下ろす。

「確かにこっちのほうが、陽子をしっかり抱けるな。」

少女の頬が、赤く染まる。
男は抱きかかえた少女をそっと寝台の上に座らせ、自分もその隣に腰を下ろした。

「・・・口づけ、だけだぞ?」

念を押す様に、男が言った。

「・・・さあ?」

その生真面目さに笑いを堪えながらも、少女はその若草色の瞳を閉じる。








唇をなぞる男の指の感触が、ひどくくすぐったく感じられた。
何度も、何度も。
輪郭をなぞるように、指が滑る。

待てども、唇に待ちわびた感触はなく。
少女は、焦れたようにその瞳を開いた。

すると、触れそうなほどの、至近距離。
熱を帯びた男の瞳と、目が合った。

「楽俊・・・?」

「幻じゃぁ、ねぇんだよな・・・」

独り言のようにつぶやかれた言葉に聞き返そうと開いた唇は、再度男の指に封じこまれ。
何度か確かめるように唇をなぞった男の指が離れると、熱い、湿った感触に包まれた。

生温かい息が含んだ男の香りに、硬く結んだ唇の力が解ける。
その結び目を這うようなやわりとした感触が、ゆるゆると中に入り込むと、
甘い、痺れにも似た震えが少女の芯を走り抜けた。

言葉もなく。

互いの感触を、夢中で確め合う。
繋がった部分から、己の一部分がとろけ出すように。
それを、まるで一滴も漏らさぬようにと、二人は深く、長い口づけを交わす。

「楽俊・・・」

触れた唇はそのまま、少女がつぶやいた。

「もっと・・・繋がりたい。楽俊と・・・一つになりたいんだ・・・」

予想していた言葉。
そしてそれは、男自身の、言葉。

「・・・その意味、分かって言っているか?」

少し体を離すと、少女の真意を確かめるかのように、その瞳を見つめる。

分かっているよ、と。
既に男の中で用意されていた言葉が、少女の声に乗り、形となる。

喜び。
迷い。
後悔。
期待。

少女の答えは分かり切っていたはずなのに、どれともつかない感情が男の表情をゆがめさせた。

「おいらより、優秀で、もっと似合いの奴がごまんといるじゃねぇか。」

「でも、楽俊は一人だけだ。」

「おいらでなけりゃいけねぇ理由もねぇだろ。」

「楽俊だけだ。これまでも、これからも。その先も、ずっと、ずっと。
 代わりなんていない。・・・それが、分かったんだ。」

まるですがりつくような少女の言葉が、抗い難い波となって押し寄せる。
言葉に乗せた呪にでもかけられたように、目を反らすことができない。


「・・・楽俊の、全てが欲しい・・・」


プツリ、と。
糸が切られる。



まるで、どこかへ落ちていくような感覚だと、男は思った。
何かに掻きたてられるような焦燥感。
どくりどくりと高鳴る心臓は、今にも飛び出て来てしまうかと思うほどで、
男は思わず胸を鷲掴んだ。

腕の中の少女が、染まる。
その頬に、唇に、首筋に、男の通った軌跡が紅い花となり、
肌蹴た胸元を隠す少女の頼りない手は、男の口づけで解かれていく。


深紅の流水文。
漂う波は、やがて集束し、
重なり合う肌は、それぞれの輪郭を失う。
ぼやけた境界線の中で、繋がれた部分から広がる感触だけが、意識を繋ぎ止める。
組み敷いた少女の顔が、苦しげに歪む。
荒く乱れた呼吸。
喘ぐように吐き出された音が、言葉となる。

―――だ い す き、 だ よ・・・

心が、体が。
己を構成する全てが、沸きあがる。

「――っ、ようこっ・・・」

開けた視界が白一色に染まり、男の意識は霧散した―――







「後悔している?」

腕の中に抱いたまま眠っていたはずの少女が、男の頬に手を伸ばす。
男は眼を閉じると、しばらくその感触を楽しんだ。

「本当は、そうじゃなきゃいけねえんだろうけどな・・・」

でも・・・と言いながら、枕にしていた腕を少女の頭から抜くと、
覆いかぶさるように少女の顔を見下ろす。
窓から差し込む、既に明るみを帯びた光が、男の影に遮られた。

「今は、嬉しい気持ちで一杯だ。」

微笑んだ男の顔が、落ちてくる。
その背に腕を回すと、少女は力の限り抱きしめた。

一度唇を離し、見つめる。
密着した肌が、じわじわと熱を覚え始めた。

「おいらにも、陽子が移っちまったかな。」

「どういうこと?」

答える代わりに、男の唇が落ちてくる。
もう一度交わした口づけが、徐々に深くなっていくと同時に、少女の体を男の指が滑り落ちる。
そしてその耳元に、熱っぽい声が囁かれる。

「・・・まだ、足りない。もっと、陽子が欲しい・・・。」



***********************************************************************************

あとがき

予告をしていない3話目です。
ぼんやり書いていたら続きものになってしまいました><;
2話目の寸止めだったのが自分的にもすっきりしなかったみたいで。

二人の初夜はどんなのだろうと思うと、妄想は広がります。
別の設定でもう一回初夜書きたいな。。。
でもやっぱり本番は書けません><;



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RL 【ほの甘系】

楽俊へ

元気ですか。
大学にはもう慣れたかな。延台輔から時々楽俊の話を聞くことがあるけど、
聞けば聞くほど気になります。
友達はできた?・・・勉強しに行っているのに、友達っていうのも変かな。
こちらの大学っていうのはすごい所なんだね。
私がいた世界でも大学はあったけど、こちらの大学とはちょっと違うかな。
大学に入ろうと思えば、自分の学力や好みで自由に選ぶことができるし。
私もあちらにいたころは漠然と大学に入るつもりでいたよ。
明確な目的があった訳じゃない。
たぶん、そんな風になんとなく大学に行く人も多かったんじゃないかな。

ああ、なんだか私のことばかり書いてしまったね。
楽俊は大学を卒業したら、やっぱりそのまま延王の下で働くのかな。
そうすれば、もしかしたらどちらかの王宮でも会えたりするかもね。
ふふ・・・なんか畏まった楽俊を想像したら、おかしくなってきました。
楽俊に会いたいです。
二人で旅をしていた時の事が嘘みたいだ。
また、手紙書きます。では。




陽子へ

手紙ありがとな。おいらは元気だ。
陽子こそどうだ?慣れないことばかりで知恵熱でも出しているんじゃねぇかって
思っていたところだ。
雁はすごいぞ。巧とは大違いだ。大学もいいな。
友達かあ・・・。友達っていうかどうかは分かんねぇが、色々よくしてくれる奴はいる。
陽子が大学を目指していたっていうのは驚きだな。官吏にでもなるつもりだったのか?
でも、選べるほど大学があるなんてすごいことじゃねぇか。
蓬莱は優秀な人材が多かったんだな。

大学を卒業した後のことは、今は全く考えてねぇな。
というより、まず卒業できるかどうかが問題だ。まぁ、もちろんおいらは卒業するけどな。
おいらが王宮で陽子に会ったりなんかしたら、ずっと平伏しっぱなしで、
話をするどころかまともに顔なんか見れねぇんじゃねぇか?
なんかそう考えると、こうして手紙のやり取りしていることもすごい事なんだなあって、改めて思うよ。

確かに、しばらく陽子の顔見てねぇな。
大学が休みになったら、慶にも行く予定だから。それまでしっかり頑張れよ。
じゃ、またな。




楽俊へ

返事、ありがとう。とても嬉しかったよ。
そっか、大学でお友達もできたんだね。大学生活も充実していそうで、安心しました。
そういえばお友達って女の子?あ・・・いや、別に詮索している訳じゃないから、
誤解しないでほしい。
以前延王が、延の国には美人しかいないぞ!って自慢していたのを思いだして。
楽俊は頭もいいし、優しいから、きっと女性にも魅力的に映るんじゃないかな。

大学にも休みがあるの?いいなぁ、私は休みなんかもらえないんじゃないかなあ。
なんて、一国の王様の言葉じゃないね。
慶にも来る予定があるんだね。楽俊に会えるのを楽しみにしています。
手紙を見たら、余計楽俊に会いたくなりました。
早く会いに来てくれないと、私のほうから行ってしまうかもしれないよ?
お忍びみたいで、それはそれで楽しそうだな。
じゃぁ、景麒が渋い顔して待っているので、今日はこの辺で。




陽子へ

なんだかおいらの話ばっかりだな。
そっちの調子はどうだ?景台輔とはうまくやってるか?
王と麒麟は二人で一人みたいなもんだからな。これからもずっと、
陽子の一番傍で、陽子を見守ることのできる唯一のお人だ。大切にしろよ。

大学で知り合った仲間は、みんなむさくるしい男ばかりだ。
可愛い女の子の一人でもいれば、ちょっとは自慢にもなるんだがなあ。
確かに延王の仰る通り、延には美人が多いかもな。

おいおい、間違ってもおいらの所に突然来るなんてするなよ?
陽子の事だから、本当にやりかねないから心配だ。
安心しろ、春になれば大学も休みに入るんだ。母ちゃんの様子を見たら、
すぐに慶に向って、陽子に会いに行くからな。だからそれまで、ちゃんとおとなしく
待っているんだぞ?
それじゃ、またな。おいらはこれから弓の特訓だ・・・。




楽俊へ

こちらの人にとって、麒麟は本当に特別な存在のようだね。
他の麒麟はどうか分からないけど、私にとっての麒麟は景麒だから。
何て言うか、学校の口うるさくて怖い先生って感じかな。
いつも盛大なため息をついてくれています。
それにしても、二人で一人って・・・なんだか大袈裟じゃないか?
もちろんそんな景麒でもこれからもいてもらわなくちゃ困る。だけど、今の私があるのは
間違いなく楽俊のおかげなんだよ。
楽俊に会わなかったら、きっと私は生きていなかったから。

そうか、延にはやっぱり綺麗な人が多いんだね。
いつか楽俊も素敵な女性を見つけるのかな?
もしかしたら、もうそういう人がいたりするのかな?
詮索しないって言っているのに、これじゃぁ間違いなく詮索だね。
もし、素敵な女性が見つかったら、・・・・・・私は嬉しいです。
友達として、心から祝福するよ。楽俊が幸せなら、私も嬉しいから。
それから―――



「―――それから?」

書き綴っていた言葉が、疑問の形となって少女のすぐ横から音になった。
聞き覚えのある、今少女が一番願っていた、でもここにはいるはずのない声。

「ら、楽俊!?」

長い時間手紙に集中していたらしい。
部屋の窓から差し込む光はいつの間にか茜色に染まり、驚いて顔を上げた少女の輪郭を縁取った。

「な、なんで・・・?そ、それより、いつから??」

言って、まだ自分が書いていた手紙が広がったままなことに気付く。
咄嗟に丸めようとした少女の手を制止するように、男の手が重ねられた。

「ついさっき。ここに来たのは景台輔からのお呼びがあったからだ。そんで、続きは?」

見慣れたねずみの顔ではなく、彼の人柄を表すような、少し下がり気味の柔和な印象を与える瞳。
その眼差しに捉えられ、少女はしばらく声を失った。
差し込む夕日が、既に朱色に染まった少女の頬に色を重ねた。

「勝手に見るなんて、悪趣味だ・・・っ」

「仕方ねえじゃねぇか・・・何度声かけても、全然気付かねえし。
黙って見ているしかねえだろ?
それよりさ、なんでこの手紙・・・おいらの分の返事まで書いてあるんだ??」

更によく見ようと、男の顔が近づく。
可能な限り男の視線から隠そうと、抑えられて動かすことのできない手から、かろうじて指を伸ばした。

「これは・・・その・・・」

「はは~ん、もしかして陽子、おいらに会えなくて寂しかったか?」

覗き込む男の顔が、いたずらっぽく微笑んだ。
余裕すらうかがえる男の表情を見て、なぜだか自分だけがあたふたしていることに無性に腹が立つ。

「ちがう!そ、そんなんじゃないっ・・・!」

黙っていれば、老若男女問わず人の目を引き付けるであろう端正な顔立ち。
身につける衣装は、簡素ではあるが、王のそれ。
そんな少女が、真っ赤な顔をして自分に抗議の目を向けてくる姿があまりにも可愛らしく、
男は思わず噴き出した。

「な、何がおかしいんだっ」

相変わらず噛みつかんばかりの勢いのままの少女の頬を、男の両の手が包み込む。
火照った頬に、心地よさを感じさせる少し冷たい男の掌の感触が広がる。
男はしばらくそのまま少女の顔を見つめていたかと思うと、おもむろに少女の頬を挟んだ手を寄せた。
みるみる少女の顔がこれまで見たことのない形に歪んでいき、それを見た男が更に盛大に噴き出した。

「陽子は、可愛いな。」

からかわれた――そう少女が理解すると同時に、少女の腕も男の顔に伸びた。

「ひててててっ」

あまり肉付きのいいとは言えない男の頬が、これが最大限と言わんばかりに伸ばされる。
男の口から、言葉にならない悲鳴がこぼれた。

「ぷっ・・・くくくく。楽俊も、変な顔だ。」

少女が手を離すと、涙目になった男の顔が近づいた。
少女の肩を抱くように、背中から男の腕が回される。
そのまま肩越しに少女の手を握ると、その手に先ほどまで少女が使っていた筆を握らせた。



それから―――

楽俊が他の人と一緒にいたら、お子様の私はとっても寂しいです。



男に操られた手から、すらすらと文字が綴られる。

「ら、楽俊!」

横の顔をにらむと、やはり男はいたずらっ子のような笑みを浮かべていた。




陽子へ

しょうがねぇなあ。
そんなお子様な陽子を放っといたら、どうなるかわかんねぇから。
仕方ねぇから、おいらがしっかりくっついて見ていてやるよ。




***********************************************************************************

あとがき

なんだかいつもの反撃と言わんばかりに陽子をいじめる楽俊になってしまいました。
でもちょっと楽しかった^^;
ちなみに題名のRLとはRole Letteringの略で、日本語だと役割交換書簡法と言います。
カウンセリング手法の一つで、実在の相手に仮の手紙を書き、
その相手の立場になって更に返事を書く。手紙は実際には送りませんが、
それを長期繰り返し行うことで、自己認知、他者理解の双方を深める・・・というものらしいです。

本作で陽子が書いているのはこれです。まるで痛い子みたいですが^^;
少年院の受刑者から、子育てに悩むお母さんまで。
たぶん新社会人の研修とかにも適用できそうだなあと興味をひかれて読んでいた論文が元ネタですが
・・・そんな大層なものからこんな話が浮かんでくる私ってば・・・。



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Top Seclet 【コメディ】

「そういえば、楽俊。」

昼下がりの心地よい陽だまりの中。
ここ数日、これほどまでに穏やかな時間があっただろうかと、
しばらく遠い目で中庭に咲いた花々を眺めていた陽子は、そのまま歩みを止めず声をかけた。

「なんだ?」

特に声をかけるでもなく、少女の後ろをほたほたと歩いていたねずみが髭をそよがせる。

「すごく、今更な事なんだけどさぁ・・・」

自分から声をかけた割には、少女は照れたような、何か言いづらそうな表情を浮かべる。

「ほら、楽俊と出会った日のこと。」

「ん?あぁ、おいらが陽子を拾った時のことか。」

「拾ったって・・・物みたいに言わないでくれ。」

てへへ、と。
ねずみの小さな手がぽりぽりとわき腹あたりを掻く。

「わりぃわりぃ。でもなあ、あの時の陽子はそりゃぁひでぇ有様だったからなぁ。
おいらも最初倒れている陽子を見たときは人だと思わなかったくらいだ。」

「そんなに!?」

あまりの言葉に驚いた少女が、思わずねずみを振り返った。
自分を見上げるねずみを見ると、冗談を言っている風でもないようだ。

「そうか・・・そんなにか・・・」

「あん時は大変だったなぁ。」

わずかに見せた少女の落胆の色に気付いた様子もなく、ねずみは懐かしそうに続けた。

「あん時は母ちゃんもいなくて。おいらも医術に関して心得がある訳でもねぇし。
ただ、こりゃぁ放っとく訳にもいかねぇってことで頭いっぱいで――」

「楽俊、その事なんだけど」

歩みを止めた少女が、今度はしっかりとねずみの方に向き直る。
その様子に何やら只ならぬ雰囲気を感じ取り、合わせてねずみも歩みを止めた。

「その、あの・・・さ。それで・・・見た?」

「ん?」

最後のほうは、まるで聞き取れないほどの声。よく見ると、なにやら耳まで赤くしているらしい。

「だから・・・見たの?」

「見たって・・・何をだ??」

「だから・・・その、着替えさせたんだろ?楽俊が。」

「あぁ、だから母ちゃんがいなくって――」

「そうじゃなくて・・・っ」

意図した内容とは全く見当違いの回答を続けるねずみに、徐々に恥ずかしさといらいらが募り、
自然と少女の語気を荒くさせる。

「楽俊が私を着替えさせた時、どこまで見たのかと聞いているんだっ」

「へっ・・・?」

ねずみの口から奇妙な音が漏れた。
勢いに任せて言い切ったらしい少女の顔は今にも倒れんばかりに赤く染まっている。

「どこっていうか・・・」

真っ赤になっている少女をちらりと見て、さてどう答えるかとしばらく考える。
ねずみのしっぽが落ち着きなく左右に揺れる。

「だ、大丈夫だ。あんま見ねぇようにやったからさ。」

ぽりぽりと、落ち着きない様子でわき腹を掻いたかと思うと、ねずみがへらへらっと答えた。
ねずみのしっぽはまだ揺れている。
あきらかに嘘くさい。

「見たんだな・・・?」

「いやぁ・・・だから。あんま見てねぇって・・・うん。」

揺れるしっぽ。

「くぅっ・・・」

少女が苦しげに呻いたかと思うと、両手で顔を覆いその場にへたっと座り込んでしまった。

「よ、陽子??」

慌てたねずみはおろおろと、座り込んだ少女の顔を右左から覗き込んだ。

「な、泣いているのか??そりゃぁ悪かったと思うけどよぉ・・・
あん時はそんな事気にしてる場合じゃなかったし・・・女だって気付いたのは結構後のほうだったし・・・」

「え?」

ねずみの不用意な発言に思わず少女が顔を上げた。

やべぇ・・・おいら何か口を滑らしちまったか?
少女の顔を黙って見守るねずみだが、明らかに狼狽している。
声こそ発しないものの、耳の後ろを掻いたり、ひげを動かしたりと、その様子には全く落ち着きがない。

「女だと、気付かなかった・・・だと?」

間違いない、怒っている。

自分の失言に気付いた時には既に手遅れだとねずみは悟った。
先ほどのように俯いてしまった少女だが、あきらかに異なるオーラを感じる。
動物の感が逃げろと全身に命じていた――が、かろうじてねずみはその場にとどまることができた。
あまりの緊張感に、むりやり唾を湿らせた喉がごくりと鳴った。

「どういうことだ・・・楽俊・・・きちんと説明してもらおうか・・・」

こくこくと、言葉すら発せずにねずみが頷く。
ここで逆らうことは死を意味すると、動物の感が再度警告を続ける。
ねずみは、もう一度喉をごくりと鳴らせてからぼそぼそと話し出した。

「陽子を見つけて・・・うちまで運んだ。それで、おいらが着替えさせて、寝台に寝かせた。」

「それは知っている。」

「・・・」

しっぽの揺れ方が速まった。どうやら困っているらしい。

「着替えさせたなら、なぜ女だと気付かないんだ。」

「お、おいら夢中だったから、分かんなかったんじゃねぇかな・・・はは」

「・・・楽俊・・・」

少女から発せられるオーラに気圧され、はたりと、手足と一緒にちからなく垂れた尻尾が痛々しい。

「着替えさせるにもまず体を拭かなきゃなんなかったからな。
さすがに下までは脱がしてねぇけど、・・・上は見えちまったな。」

やっぱり。
少女の唇がぎゅぅと引き締められた。

「じゃ、じゃぁなんで。女だって気付かなかったんだ?」

言っても殺さない?
首をかしげるねずみの目線からそんな言葉が浮かんでくる。

「いいから、言ってくれ。」

もじもじと、自分の指をいじる仕草はまるでねずみそのもの。

「あんま、膨らんでなかったからなぁ。ほら、うちの母ちゃん結構な体格だから。
女はああいうもんが付いているって、先入観があったんだろうなぁ・・・へへ。」

かろうじて愛想笑いのような表情を作っては見たものの、
口周りの筋肉が緊張のあまりうまく動かず文字通りねずみの顔は引きつっていた。

「後から女だって気付いたっていうのは・・・?」

「ああ、それは・・・何日か経ってだいぶ様子もおちついたみてぇだったから。
そういえば着替えも全部させてやろうかなって思って、下を脱がせようとしたら・・・」

「見たんじゃないか!!!」

「あ・・・いやぁ・・・ちゃんとは見てねぇ・・・」

「ちゃんとってなんだ、ちゃんとって!!ちゃんと見られてたまるか!」

「だから、脱がせてねぇってば・・・脱がせようとしたら、なんか付いてねぇみてえだったから。
おいらそこで、焦ったってわけ。」

少女は眩暈がするようだった。
いや、へたり込んでいるから実際には眩暈などしないのだが。
体中の血流が一気に逆方向へと走り出したのかと思うくらい、あまりの興奮に目の前が暗くなった。

「も、もういい・・・」

「わ、悪かったって・・・陽子」

ねずみが謝るのもお門違いだったが、なんだかここで謝らなければ後がないような気がしてならず、
ねずみはうなだれた。

「・・・だ」

「ん?」

「トップシークレットだ!」

ずびしっと、少女の指がねずみの鼻先に突きつけられる。

「と・・・とっぷう、しいくれ?」

聞きなれない言葉を、間の抜けたねずみの声が繰り返した。

「最高機密事項だっ!以降、今この場で口にした全ての内容の他言を禁じる!楽俊にはその守秘義務がある!」

「は・・・はい・・・」

鼻先に指を突き付けられたまま、ねずみががっくりと肩を落とした。
少女はくるりと振り返ると、ずんずんと鼻息も荒く先へ行ってしまった。

「陽子~」

置いて行かれたねずみは、怒った陽子の気持ちもなんとなく分かるような気がし、
しかたなく一人とぼとぼ歩きだした。

「そういえばおいら・・・王宮の道、わかんねぇぞ・・・・・・。」



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あとがき

なぜかコメディに走ってしまいましたが、完全にこの話の
楽俊のイメージは「ぼのぼの」のしまりす君ですね。
ちなみに陽子にとってのトップシークレットは「楽俊に裸を見られたこと」
ではなくて「女だと認識できない位の貧乳だったこと」だと思います^^;
あ・・・あと楽俊のお母さんって、たしかアニメでは普通のおばちゃん
だったと思いましたが、神奈のイメージで勝手に巨漢とまではいかない程度の
ふくよかなおばちゃんイメージにしてしまいました。
そういえば、陽子の言葉は翻訳されてしまうはずでしたが、
その辺スルーしてましたね・・・色々適当ですいません。

最後までお付き合い頂いた皆様、ありがとうございました^^



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